マイクロ波加熱とは?
電波の一種であるマイクロ波を用いる加熱方法です。
電子レンジでご飯があたたまることがまさにマイクロ波加熱。みなさまの身近な存在でお手軽 な加熱方法ですが、じつはまだ解明されていない領域のある奥深い加熱方法です。
そんなマイクロ波加熱について紹介します。
電子レンジでご飯があたたまることがまさにマイクロ波加熱。みなさまの身近な存在でお手軽 な加熱方法ですが、じつはまだ解明されていない領域のある奥深い加熱方法です。
そんなマイクロ波加熱について紹介します。
加熱の種類
加熱方法にはいくつか種類があります。
マイクロ波加熱と他の加熱方法の
長所と短所をご紹介します。
マイクロ波加熱と他の加熱方法の
長所と短所をご紹介します。
マイクロ波ってなに?
そもそもマイクロ波ってなんだ?
みえるの?匂いは?なにか感じるの?
マイクロ波の基本的な情報をご紹介します。
みえるの?匂いは?なにか感じるの?
マイクロ波の基本的な情報をご紹介します。
なぜマイクロ波で温まるの?
実ははっきりと解明されていないようですが、
現在の有力な説をご紹介します。
現在の有力な説をご紹介します。
加熱の種類
加熱方法には色々な種類があり、それぞれに特徴があります。
どの加熱方法も万能という訳ではなく、一長一短があります。
どの加熱方法も万能という訳ではなく、一長一短があります。
熱伝導
対 流
輻 射
熱伝導
(例:フライパン)
熱源でフライパンや鍋を温めて、そこから伝わる熱で物を温める加熱方法です。
熱伝導の加熱方法は『フライパン』を使った加熱以外にも床暖房, 使い捨てカイロなども熱伝導ということになります。また熱源にはガスコンロの他にIHや電熱線を使うこともあります。
熱伝導の加熱方法は『フライパン』を使った加熱以外にも床暖房, 使い捨てカイロなども熱伝導ということになります。また熱源にはガスコンロの他にIHや電熱線を使うこともあります。
長所 | シンプル | フライパンや鍋などの道具があれば、それを火などの熱源にかけるだけのシンプルな方法です。 |
安価 | 簡単な構造だから安価に加熱することが出来ます。 | |
短所 | 効率が悪い | フライパンや鍋を経由して加熱するので、熱源からの熱が逃げやすく、物に伝導するまでに熱が失われてしまいます。 |
不均一な加熱 | 熱源に近い場所と遠い場所で、熱の伝導具合が異なるので、均一な加熱が出来ません。 |
対流
(例:ノンフライヤー)
ヒーターで熱した高温の空気を対流させることで加熱する方法で、物を油で揚げるのと同じ状態にすることが出来ます。
ヘアードライヤーやエアコンも同じ種類の加熱方法となります。
ヘアードライヤーやエアコンも同じ種類の加熱方法となります。
長所 | 乾燥が得意 | 物の周辺を熱風が対流するので、ヘアードライヤーで髪を乾かすのと同様に物を乾燥させることが出来ます。 |
短所 | 温度コントールが困難 | 熱した空気を経由して加熱するので、精確な温度設定をすることは困難です。 |
輻射
(例:電子レンジ)
マイクロ波を照射することで物質の分子を振動させて、その摩擦熱で物の温度を上昇させる加熱方法です。
暖房器具に使われているハロゲンヒーターも輻射による加熱方法です。
暖房器具に使われているハロゲンヒーターも輻射による加熱方法です。
長所 | 加熱が速い | 急速加熱で加熱開始後すぐに温度上昇するので、短時間で加熱することが出来ます。 |
内部まで 加熱出来る | 物の中に含まれる水分を温めるので外部と同じように内部まで温めることが出来ます。(内部加熱) | |
精密な温度 コントロール | 物自体の温度をコントロールすることが出来るので、精確な温度調整が可能です。 | |
短所 | 構造が複雑 | マイクロ波を発生させるマグネトロンや電子回路が必要なので構造が複雑になってしまいます。 |
マイクロ波ってなに?
マイクロ波は電波のひとつです。
電波は空間を伝わる波動なので、直接目で見ることも触ることもできません。もちろん匂いもありません。 しかし、テレビ・ラジオ放送(地上波/衛星)から、携帯電話の通信に至るまで現代の生活には欠かせないものとなっています。
マイクロ波(300MHz~3THz)の一般に広く知られている用途は電子レンジです。
反対に身近にありながら携帯電話やGPS、地デジ等の通信にマイクロ波が使われていることはあまり知られていません。
下記のように電波は波長によって呼び名や用途が異なります。
電子レンジに使用されるマイクロ波は、UHF(極超短波:300MHz~3GHz)と呼ばれる帯域です。
電波は空間を伝わる波動なので、直接目で見ることも触ることもできません。もちろん匂いもありません。 しかし、テレビ・ラジオ放送(地上波/衛星)から、携帯電話の通信に至るまで現代の生活には欠かせないものとなっています。
マイクロ波(300MHz~3THz)の一般に広く知られている用途は電子レンジです。
反対に身近にありながら携帯電話やGPS、地デジ等の通信にマイクロ波が使われていることはあまり知られていません。
下記のように電波は波長によって呼び名や用途が異なります。
電子レンジに使用されるマイクロ波は、UHF(極超短波:300MHz~3GHz)と呼ばれる帯域です。
周波数による電波の分類
区 分 | 周波数 | 主な用途 | |
---|---|---|---|
マイクロ波 以外の電波 | 極超長波(ELF,SLF,ULF) | 3~3000Hz | 地表通過/水中無線(鉱山/潜水艦通信)等 |
超長波(VLF) | 3~30kHz | IH調理器、水中無線(対潜水艦通信)等 | |
長波(LF) | 30~300kHz | 電波時計(標準電波)、長波ラジオ放送、無線(鉄道誘導,航空/船舶無線)等 | |
中波(MF) | 300~3000kHz | 中波ラジオ放送、無線(船舶気象通報,航空/海上無線)等 | |
短波(HF) | 3~30MHz | 短波ラジオ放送、無線(船舶,ラジコン,トランシーバー玩具)等 | |
超短波(VHF) | 30~300MHz | FMラジオ放送、地上アナログテレビ放送、無線(アナログ電話子機)等 | |
マイクロ波 | 極超短波(UHF) | 300~3000MHz | 電子レンジ、テレビ放送(UHF、地デジ)、無線(携帯,PHS,GPS,無線LAN)等 |
センチメートル波(SHF) | 3~30GHz | 衛星(BS・CS)テレビ放送、ETC、無線(衛星通信,無線LAN[5GHz帯])等 | |
ミリ波(EHF) | 30~300GHz | レーダー、プラズマ診断、電波望遠鏡(ミリ波観測)、無線(衛星通信)等 | |
サブミリ波(SHF) | 300~3000GHz | 非破壊検査、電波望遠鏡(テラヘルツ波観測)等 | |
マイクロ波とは、300MHz ~ 300GHz (波長=0.1 ~ 1m) の周波数の電磁波を指します。
マイクロ波は主に無線通信用に利用されているのですが、無線通信の目的以外で利用できる周波数としてISMバンドが割り当てられています。
電子レンジや弊社マイクロ波装置は、割り当てられたISMバンドのひとつである周波数2.45GHz (波長=約12cm) のマイクロ波を加熱のために利用した装置です。
マイクロ波は主に無線通信用に利用されているのですが、無線通信の目的以外で利用できる周波数としてISMバンドが割り当てられています。
電子レンジや弊社マイクロ波装置は、割り当てられたISMバンドのひとつである周波数2.45GHz (波長=約12cm) のマイクロ波を加熱のために利用した装置です。
電子レンジ、マイクロ波装置による加熱の特長
電子レンジ、マイクロ波装置による加熱は、マイクロ波が誘電体と直接作用して発熱する誘電加熱です。誘電加熱には急速加熱、内部加熱、選択加熱の特長があります。
ご家庭で冷やご飯を温めるケースを例にとって誘電加熱の特長について考えましょう。
次のグラフは、容器に入れた冷やご飯を電子レンジとオーブンで120秒間、温めた時のご飯の中心付近(内部)と表面(外部)の温度変化を比較したものです。
電子レンジの温度上昇がオーブンに比べて迅速であること、また、内部加熱によって入れ物が温まらないため、加熱終了後の温度は直ちに下がりはじめることが読み取れます。
[マイクロ波加熱の魅力]ページで詳しく説明いたします。
ご家庭で冷やご飯を温めるケースを例にとって誘電加熱の特長について考えましょう。
次のグラフは、容器に入れた冷やご飯を電子レンジとオーブンで120秒間、温めた時のご飯の中心付近(内部)と表面(外部)の温度変化を比較したものです。
電子レンジとオーブンの加熱
冷やご飯の温度変化の比較
[マイクロ波加熱の魅力]ページで詳しく説明いたします。
なぜマイクロ波で温まるの?
マイクロ波による加熱メカニズムは複雑ですが、ここでは、食品の加熱や乾燥時に、加熱対象となる事が最も多い水を例に大雑把な説明をします。
コップ一杯の水の中には、10の24乗(一抒(じょ)と言うらしい)個程度の水分子(H2O)が有りますが、その一個を見てみると、プラス(+)とマイナス(-)の電気的な偏りが有ります。
電気的な偏りと、偏りの様子を矢印で示した、水分子のイメージは下図の様になります。
マイクロ波はプラスとマイナスの向きを変えながら進行します。 電子レンジだと1秒間に24.5億回、非常に高速で向きが変わります。
水分子が電気的な偏りを持っている事、マイクロ波がプラスとマイナスが高速で変化している事、この2つの条件がマイクロ波加熱のキーとなります。
水分子にマイクロ波が照射すると、電気的な偏りによって、マイクロ波のプラスとマイナスの向きに追従した動きを水分子はすることになります。
下図は単純なモデルで、水分子1個にマイクロ波が照射され、マイクロ波の向きに水分子が従う様子です。
極端な話では、電気的な偏りのない物質は、マイクロ波のプラスとマイナスの変化には追従できないので、全く加熱できません。
コップの水は、マイクロ波が照射されていないときは、それぞれが自由な方向を向いています。
下図では省略していますが、実際は間にびっしり10の24乗個程度の分子が有ります。
マイクロ波がコップの水に照射されると、それまで自由な方向を向いていたコップの水は、高速で変化するマイクロ波のプラスとマイナスの向きに従おうと向きを変えようとします。
コップの中には大量(10の24乗個)の水分子が有り、満員電車の状態です。
さらに水分子は高速で向きを変える激しい動きをしているので、水-水の摩擦熱によって“おしくら饅頭”の要領で熱が発生します。
コップ一杯の水の中には、10の24乗(一抒(じょ)と言うらしい)個程度の水分子(H2O)が有りますが、その一個を見てみると、プラス(+)とマイナス(-)の電気的な偏りが有ります。
電気的な偏りと、偏りの様子を矢印で示した、水分子のイメージは下図の様になります。
マイクロ波はプラスとマイナスの向きを変えながら進行します。 電子レンジだと1秒間に24.5億回、非常に高速で向きが変わります。
水分子が電気的な偏りを持っている事、マイクロ波がプラスとマイナスが高速で変化している事、この2つの条件がマイクロ波加熱のキーとなります。
水分子にマイクロ波が照射すると、電気的な偏りによって、マイクロ波のプラスとマイナスの向きに追従した動きを水分子はすることになります。
下図は単純なモデルで、水分子1個にマイクロ波が照射され、マイクロ波の向きに水分子が従う様子です。
極端な話では、電気的な偏りのない物質は、マイクロ波のプラスとマイナスの変化には追従できないので、全く加熱できません。
コップの水は、マイクロ波が照射されていないときは、それぞれが自由な方向を向いています。
下図では省略していますが、実際は間にびっしり10の24乗個程度の分子が有ります。
マイクロ波がコップの水に照射されると、それまで自由な方向を向いていたコップの水は、高速で変化するマイクロ波のプラスとマイナスの向きに従おうと向きを変えようとします。
コップの中には大量(10の24乗個)の水分子が有り、満員電車の状態です。
さらに水分子は高速で向きを変える激しい動きをしているので、水-水の摩擦熱によって“おしくら饅頭”の要領で熱が発生します。
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